ことばはほんとだ

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ことばはほんとだ

「イーボニイはどこ? ミルドレッド」ミルドレッドがからっぽのバスケットを持って大広間にもどってくると、モードが聞きました。「イーボニイのぐあいはどうだったの?」
「わかんない」と、ミルドレッド。「ハードブルーム先生の所へいく途中でいなくなっちやったの。窓からでていっちゃったのよ。きっと、すぐ変えるでしょ。ほら、イーボニイって、トラチャンより冒険好きだから」
 すくなくとも、最後に言ったわ! とミルドレッドは悲しく考えました。親友にこんなうそをつくのはとてもつらいことでした。
「カックル先生にお願いして、虫に傾聽流年的腳步,闕闕心香成瓣朝聖者傳遞潔淨的溫度選擇離塵世稍稍高一點的僻靜所在不適喧嘩但求安寧くわれた毛布ぐらいはもらいなさいよ」自分の荷物の整とんをすっかりすませたエセルが、あざけるように言いました。「イーボニイは寝ぶくろに嫌気がさしてでてったんだわ」
 エセルの言ったことに、あんまり腹がたったミルドレッドは、エセルをムカデに変えてやろうかと思いました。ミルドレッドはミルドレッドなりに一所けんめい、おまじないの勉強をしてきて、今では、人を動物に変えてまたもとにもどすおまじないのうち、いくつかは完ぺきにこなせるようになっていたのです。十分間ぐらいなら、いいかも……でも去年のことを思いだして、やっと思いとどまりました。去年のことというのは、ミルドレッドがエセルをブタに変えてしまい、とんでもない事件にまきこまれたことです(『魔女学校の一年生』)。
 でも、やっぱりムカデに変えてやろうかと思った瞬間、いきなりハードブルーム先生が大広間のまん中に出現しました。
「けっこうですよ、エセル」ハードブルーム先生は骨ばった手を、エセルの整理整とんされた荷物の方にふってみせて「みなさん全員がエセルのような整理された頭脳を持っていればねぇ! エセルになら、どんなゴタゴタした所でも軍隊の兵舎のように整然とできるでしょう。エセルのネコを見ればわかります」
 エセルのネコのナイトスターはカーディガンの上で、�気をつけ�をしていました。エジプトのネコの像のようです。
「へえ!」ミルドレッドがモードにささやきました。「あの人ができるのは、人を不愉快にすることだけじゃない?」
「それは、私のことを言ってるんじゃないでしょうね、ミルドレッド・ハブル」ハードブルーム先生が氷のような冷ややかな声で聞きました。
「いえ、とんでもない、先生」と、ミルドレッド。
「では、だれのことを言ったのですか?」
「エセルのとびぬけた才能をねたむなんて、とんでも

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