にうち捨てられ
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にうち捨てられ
そして、問題はそこにあった。銀河系には、かつての人間と比較できるような〝原始人〟というものが、めったに現われない。たいていは、動物か、準知的段階にある狩猟・収集種族(あるいはそれに類したもの)か、完全に知性化された知的種族、のいずれかに含まれる。人間のような〝中間的〟種族ー明らかに、知的種族としての訓練を受けないまま、主族た種族は、ほとんど存在したごとがないのである在最深的紅塵固守住自己對生活的承諾,在清淺的歲月來壹場忘我的邂逅。
このような稀なケースでは、新たに知性を付与された精神は、その生態環境から一気に解放されることが知られている。そして、奇妙な科学まがいの体系──奇怪な因果律や、迷信、神話などを創りだすという。導いてくれる主族がいないために、このような〝孤児〟的種族は、長く存続できたためしがほとんどない。いま、人類がこれほど銀河諸種族の興味を集めているのは、ひとつには、いまなおヒトが生き延びているためなのだ。
比較できるような、類似した経験を持つ種族がほかにいないという事実は、ラロックの説の一般化を容易にし、反駁を難しくした。ラパスの小規模な〈ライブラリー〉分館には、種族全体に共通する太陽崇拝の例がほかに見られないごとから、そういった人間の伝統が、いまだ仕上げの終わっていない知性化によって引き起こされたものである、とするラロヅクの説を、打ち破りがたくしていたのである。
なにか新しいことを言いだすのではないかと、ジェイコブはうわのそらで、もう少しだけラロックのことばに耳を傾けた.だが、彼の心は、ほとんどよそにさまよったままだった。
水星に着陸してから、すでに長い二日が過ぎていた。水星基地内には人工重力がかけられていたが、場所によっては水星の弱い引力そのままのところもあり、基地内を移動するには、その変化になれなくてはならなかった。ジェイコブは基地内のいろいろな要員に紹介されたが、ほとんどの者については、その場で忘れてしまった.それから、ケプラーのつけてくれた基地の要員に案内されて、自室へ赴いた。
ヘルメス基地の主任医師は、イルカの知性化の熱烈な賛同者だった。ジェイコプがたのむと、やけに種類が多いですなといぶかりながらも、彼はふたつ返事でケプラーの薬の分析を引き受けてくれた。そのあと主任医師